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『落穂拾い』(おちぼひろい、)は、1857年にフランスの画家ジャン=フランソワ・ミレーによって描かれた油彩作品。ニコラ・プッサンにも同様の絵画があるように「落穂拾い」は農村の貧しい人々の姿を描いただけでなく、『旧約聖書』の「ルツ記」〔フランチェスコ・アイエツが1835年に描いた「ルツ」が有名である。〕に基づいた作品である。1849年6月にパリの政治的混乱やコレラを避けて、当時芸術家たちの集まっていたバルビゾン村に疎開したミレーが描いた農民画のひとつで、『種をまく人』『晩鐘』とともにミレーやバルビゾン派絵画の代表作と位置付けられている。1857年に官展(サロン)に出展され、現在はパリにあるオルセー美術館が所蔵する。 == 画題 == フォンテーヌブローの森のはずれにあるシャイイの農場が描かれている。刈り入れが終わった後の畑に残った麦の穂を拾い集める3人の貧しい農婦が描かれており、二人は正面を向いて腰をかがめ落ち穂を拾い、一人は背中を向け、手には落ち穂をもちやや腰を曲げて立っている。背景には穀物がうず高く積まれ、豊かな地主が馬に乗って監督するもとでのにぎやかな収穫風景と対比して描いている。労働の重苦しさを描きながらも、明るい朝の太陽に照らされた美しい色彩が壮麗に描写されており、ルソーが17世紀オランダ派やニコラ・プッサンから受けた感動の影響が認められている。 日本の整然と株の植わった稲田と違い、欧州の麦畑は同じミレーの『種まく人』にみるように畑に種をばら撒き、育った株を柄の長い鎌で立ったまま薙ぐように刈り倒す〔ヨーロッパで用いられる鎌は家畜の飼料となる牧草を刈るための柄の長い大鎌と麦穂を刈るための実の落ちにくい小鎌があるが、効率的であることから大鎌を用いて刈られることもあった。坂井州二『水車・風車・機関車』(法政大学出版局、2006年)〕。これをフォークで集めて脱穀するのだが、当然のことながら集めきれなかった落穂が多数地面に残される。当時、『旧約聖書』の「レビ記」に定められた律法に従い、麦の落穂拾いは、農村社会において自らの労働で十分な収穫を得ることのできない寡婦や貧農などが命をつなぐための権利として認められた慣行で、畑の持ち主が落穂を残さず回収することは戒められていた。落穂拾いの光景はミレーの故郷で土地の痩せた北ノルマンディー地方では見られず、肥沃なシャイイ地方に移住した後に体験した感銘を描いたものであると考えられている。また、同時期には同じく『旧約聖書』「ルツ記」の一場面に由来する『刈り入れ人たちの休息(ルツとボアズ)』を手がけており、農村社会での助け合いを描いている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「落穂拾い (絵画)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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